
| 刑事ジャッカル 第4話 |
※注 物語は事実ではありませんので。 刑事ジャッカル
Act4.ジャッカルの群れ 2008年10月5日 島井 洋太(33歳)は富田が吉江に報告をしている様子を見ている。 島井のそばに青い顔をした玉木 将(26)が寄ってくる。 島井「おいっ、遅いぞ!」 玉木「すみません。」 富田と吉江の会話が聞こえてくる。 富田「谷崎を任意同行で引っ張り・・・」 島井は、玉木に声をかける。 島井「富田の奴「花園二丁目婦女暴行事件」発生からまだ数日しか経ってないのに、あれだけの目撃情報でもう犯人特定したみてぇだな。」 玉木「えっ、もう・・・」 島井「さすがは越後のジャッカル。・・・玉木、お前アヌビスって知ってるか?」 玉木「それって、エジプトの・・・」 島井「そう、アヌビスは頭部がジャッカルの顔をしていると言われてんだけど、死者を守る神様だって話で、死んだ人間の魂を速やかに冥界へと運ぶため、足がとても速いらしいんだ。」 玉木「・・・」 島井「あいつはアヌビスだな。解決が早すぎる。犯人候補はいっぱい居ただろうに、それを少ない時間でマル被を特定してんだからな。」 玉木「・・・そうですね。でもどうやってあんなに情報を集めてるんでしょ。」 島井「あいつ、一般人との繋がりがすごいらしいんだな。通称「ジャッカルの群れ」。実際、群れの一人に会ったことあったんだけど、ホントに普通の学生だった。昔、富田に世話になったらしいんだけど。そういう人間が富田のために動くこともあるらしいんだよ。まぁ新潟では、どこにジャッカルの目が光っているか分からないってことだな。」 玉木「へぇ・・・」 島井「それと、あいつだな。」 島井は富田の横にいる加納哲也(29才)に指をさす。 玉木「加納さんですね。」 島井「あぁ、あいつはジャッカルの右腕だ。師匠に似てあいつも頭が切れるぞ。」 玉木「・・・」 島井「5年前の万代シティ事件の犯人逮捕も近いかも知れないな。」 玉木は一層青い顔をして、額に汗をかく。 島井「んっ玉木?どうした、大丈夫か?顔が青いぞ。」 玉木は「大丈夫です。」と言い目を伏せる。 富田「・・・ます。それでは、失礼します。」 富田の報告が終了する。 報告が終わると富田は、玉木の顔をじっと見つめ近づいてくる。 玉木は富田から目を逸らした。 島井「富田、良く調べてくれたな。これで、被害者の気持ちも報われそうだな。」 富田「いや、まだ谷崎が犯人と決まった訳じゃない。」 島井「・・・確かにそうだな。」 島井「そう言えばもうすぐだな。・・・咲ちゃん、大丈夫か?」 富田「あぁ。咲もやっと姉のことを受け入れられる年頃になったのかもな。・・・つらいだろうけどな。」 島井は、富田の肩に手をのせる。 島井「すまん。・・・つらいこと聞いた。」 富田は「あぁ」と島井に言いながらも玉木からは視線を放さない。 玉木は富田と視線を合わせようとしない。 島井「おいっ、富田。」 富田「・・・なんだ?」 島井「お前、こいつ知らなかったっけ?最近、刑事になったんだよ。」 富田「あぁ、玉木だろ。お前どうした?顔が青いぞ。」 玉木「あっ・・・すみません。ちょっと胃の調子が。」 島井「刑事になったばかりで緊張しているのは分かるが、どんな職業でも体が資本だぞ。」 玉木は「はい」と応え一瞬、富田と視線を合わせた。 その時、玉木には富田の目が心を見通す神の目に見えた。 |
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