Ten さん

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「読み聞かせろ!こぶとりじいさん!」の巻

「読み聞かせろ!こぶとりじいさん!」の巻

登場人物
高宮 章子(たかみや あきこ・女・25歳)
5歳になる娘に絵本を読み聞かせるのが趣味。

絵本は同人誌にはまっていた頃の実力が垣間見える完全自主制作。
童話や民話の主人公をアレコレ自分風味にいじり、
物語を破綻させるのが得意。

夏子(なつこ・女・5歳)
章子の娘。

達郎(たつろう・男・28歳)
章子の夫。

*本文
○マンションの一室
章子(25歳)がクッションを敷いたフローリングに、
娘の夏子(5歳)と一緒に座り、絵本を読み聞かせている。
その様子を不安そうに見ている、夫の達郎(28歳)。

章子「ほっぺたに大きなコブのある、親切なおじいさんは、
森を彷徨う中で、鬼の宴会を発見しました」
話に夢中な、夏子。

章子「鬼たちがあまりに楽しく踊るので、
おじいさんもついつい、つられて、
踊りだし……気がつけば鬼達に囲まれていました」
心配そうな、夏子。

章子「鬼達はおじいさんの踊りがあまりに面白いので、
明日も来てワシ等の前で踊れと言いました」
まともに話が進んでいるので安心している、達郎。

章子「おじいさんは困った顔で、
何気なくほっぺたのコブを撫でていると、
鬼はコブをむんずと掴み、
スポっと綺麗に取ってしまいました!
驚く、夏子。

章子「大事そうに触るコブを返して欲しければ!
明日も必ず踊りに来い!……そう、
鬼達はおじいさんがコブを大事にしていると勘違いしたのです。
それを村に帰って隣のイジワルなおじいさんに話すと……」
興味津々で聞いている、夏子

章子「イジワルなおじいさんは早速、鬼達の宴会に出向き、
踊りを披露しましたが、鬼達はツマランツマランと怒り出しました」

章子「イジワルなおじいさんは、
このままではコブを取ってもらえないと思い、
一生懸命鬼達に訴えました、
隣のじいさんだけコブを取ってもらえてズルイ!
ワシのコブも取ってくれい」

章子の熱演を見てクスクスと笑う、夏子。
その様子を見て、今日は大丈夫だなと安心している、達郎。

章子「鬼達はコブが価値の無いものだと知って怒りました!
そしてイジワルなおじいさんの、コブが無いほっぺたに、
親切なおじいさんのコブをペタリと貼り付けたのです!」

章子「そんな殺生な!コブ一つでも嫌じゃというのに、
二つもコブありじいさんになってしもうた!誰か何とかしてくれええ!」
ちょっと可愛そうに感じている、夏子。

章子「その時、草葉の陰から颯爽と現れたのは、
黒いマント姿にツギハギの顔の、
天才無免許医師ブラック・ジャック!その人だった!」
誰かわからず、不思議そうな、夏子。
激しく驚く、達郎。

章子「5千万円でどうですかい?
私ならこの場でオペが可能ですぜ。BJは言い放ちました……」

達郎「待て待て!なんでここでブラック・ジャックなんだよ!」
章子「手塚先生作品の良さを夏子に伝えようと……」
達郎「普通に伝えようよ!普通にさ!」

章子「いや、ほらBJの世界だと、
たいてい悪いキャラがBJの手術を受けて、
善人になるでしょ?それを表現したかったというか……」
達郎「なんのこだわりだよ!」

○~後日談~
達郎に続きを読み聞かせている、章子。

章子「鬼のお陰でダンスに自信がついた、親切なおじいさんは……」
やや呆れ顔で聞いている、達郎
章子「池袋でストリートダンサーとして活躍していました」
達郎「どういう流れだよ……」

章子「おじいさんはダンスを通して、
地球環境を大切にするという活動を広げ、
強引なリゾート開発をする企業と戦っていました」
達郎「……」

章子「しかし……悪徳企業はYAKUZAを雇って、
おじいさんをダンスの出来ない体にしてしまいました……、
その時現れたのが、イジワルだったおじいさん」
達郎「やっと出て来た!」

章子「イジワルだったおじいさんは、親切なおじいさんに言いました、
ほれ立ちんさい、ワシ等の生まれ故郷の森や山を……川を守るんじゃろ?」
達郎「そこでリゾート開発繋がってたの!?」

章子「親切なおじいさんは言いました、だがもう駄目じゃ、
足がこうなってしまったらな……、そう話し悔しそうに足をさすりました」

章子「その時現れたのが!黒いマント姿にツギハギ顔の、
天才無免許医師ブラック・ジャック!その人だった!」
達郎「また出た!」

章子「BJは親切なおじいさんの足に、
タイミング良く亡くなった遺体から
切り取った足を移植し、完治させるのでした……」
達郎「サラっと言うなサラっと!」

章子「親切なおじいさんは、術後、BJに尋ねました。
こんな事をしてもらってもワシには金が無い……どうやって治療費を払えば」
章子「BJは言いました、悪徳企業という病巣を取り除く……、
まるでおたくは同業者ですな。どうです?地球という、
大きなクランケを完治させれば今回の治療費はチャラってことで?」
黙って聞いている、達郎。

章子「ブラックジャック先生……。
親切なおじいさんは呟き涙を零しました。
そして、朝日に消えるように去って行くBJは最後にこう言いました」

章子「人も地球も同じなんですかねえ……病気にもなる薬にもなる。
まあ、いつか酒でも飲みましょうや」
達郎「かっこいいな!手塚先生作品!!」

・終わり・

と……仕事の合間にどうでも良い話を書くとスッキリします……。

現在、昔馴染みの漫画家さんと、合作漫画をバリバリ作成したり☆
秋から始まる連載漫画の準備にヒィヒィ言いながら、
ゲームで遊んでます……(まて!)

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コメント数:4 「Cool!票」:6票 トラックバック数:0件
このエントリーはいかがですか?
縁 柯直 さん [7月10日(土)18時07分投稿]
 すごい! 丸く収まってしまった!!(笑)
 しかも旦那も納得する感動作品に!!(爆)

 章子さん、是非『新・昔話集』として出版して下さい!
もちゃあ さん [7月10日(土)21時22分投稿]
あー、BJのある話を思い出しましたよ。うろ覚えですが。

昔の仲良しに会いに行ったけど、すったもんだで結局会えなくて。
後日届いた手紙には
 「君は医者になったそうだね。僕も医者なんだよ。地球のね」
って書いてあり…。
そしてニュースでは、自爆テロの環境保護活動が報じられる。

(ToT)偉大だな!手塚先生!!
Ten さん [7月12日(月)12時45分投稿]
>縁さん、いらっさいませ~~☆

>すごい! 丸く収まってしまった!!(笑)
>しかも旦那も納得する感動作品に!!(爆)

おお!楽しんで頂けましたか!!
いや~ふと、気分転換にお馬鹿な話が書きたくなったりします♪

>章子さん、是非『新・昔話集』として出版して下さい!

章子さんには、これからもシリーズを追加して頂きたいと思います☆☆☆
Ten さん [7月12日(月)12時50分投稿]
>もちゃあさん、こんにちは~~☆☆☆

>昔の仲良しに会いに行ったけど、すったもんだで結局会えなくて。
>後日届いた手紙には
>「君は医者になったそうだね。僕も医者なんだよ。地球のね」
>って書いてあり…。
>そしてニュースでは、自爆テロの環境保護活動が報じられる。

ああ!ありましたね!!
BJに皮膚をくれた幼馴染の話ですね!!

>(ToT)偉大だな!手塚先生!!

名言が豊富で本当に名作ですよね!!
手塚先生偉大すぎます☆☆☆
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